#12

真空実験!

今回の理科実験は、真空実験です。真空とは、一体どういうことでしょうか!それをたしかめます。

真空状態をつくるよ!
実は手軽にできるんだ!!
楽しみにしてね!!

  • ゴム板
  • ジャムなどのふたのある空き瓶
  • 調理用ポンプ
材料

 今回は、真空実験ということですが、全く空気のない状態という意味の真空は、簡単には作れません。そこで、可能な限り空気を抜くことで『真空状態に近づける』という作業をします。
 そのための材料がこちらです。左から、ゴム板・ジャムなどのふたのある空き瓶・調理用ポンプです。
ゴム板には、中央に直径2㎝くらいの円状に小さく穴を開けます。このゴム板は、空気の逃げ道をなくすために用います。空き瓶のふたには、キリなどを用いて中央に1つ穴を空けます。このときの穴は、直径2㎝くらいが目安です。穴を開ける時は、少し力が要りますから、自力で行う時は、下に消しゴムなどを敷くと、ケガを防ぎ、家具を傷つけずに行えます。

原理

 私たちはみんな『大気圧』という空気の力に押されています。体はそういう環境に慣れてできているので、空気に押されているという感覚を感じずにいるのです。
 では、空気が薄い場所ではどうなるでしょうか。『高山病』という言葉を聞いたことがありますか?人間の体は、大気圧が弱まると、様々な影響が出ます。例えば、雨の日に頭痛になりやすい人というのは、気圧の影響を感じやすい体質だといえます。
 この圧力をより理解しやすいのが、水中です。深くもぐるほど水の影響を受け、潜りにくくなり、体中が押された感触になり、また重く感じるはずです。このように、上空から低い所、深い所で感じる力を圧力といいます。この圧力が低くなった状態を『真空』と呼び、山の頂上などでポテトチップスの袋がパンパンに膨れる原因にもなっています。

マシュマロ

 体では実験しずらいため、膨れやすいマシュマロを使います。上手に空き瓶の中の空気が抜ければ、マシュマロが膨れるはずです。
 瓶のふたの上にゴム板を敷き、その上に調理用ポンプを置き、手で上から抑えるようにします。この時、すき間があいていると、うまく空気が抜けないので、それぞれが密着していることを確認しましょう。
 準備ができたら、ポンプを引きます。すると、ポンプの上から空気が抜けていくのがわかります。同時に、空気が抜ける度に、マシュマロが膨れていくのがわかります。何度かポンプを動かして、マシュマロの形の変化を観察しましょう。

マシュマロ後

 少しずつマシュマロが膨れています。ある程度空気を抜くと、ポンプが重くなります。これは、ポンプが空気を抜く限界に近づいたことを示しています。上手に空気が抜けたら、静かにポンプを外します。空気の出入りは、ゴム板のおかげでなくなっています。
 膨れたことを確認したら、ゴム板を勢い良く外してみましょう。するとあっという間にマシュマロが元の形に戻ります。味も確かめてみてください。いえ、特においしくなったりはしませんよ。しかし、保存に使われる『真空パック』は、これが原理となって、食べ物を空気と触れないようにし、酸化作用を防ぐ効果があります。

風船

 趣向を変えて、風船で試してみましょう。風船は膨らます構造ですから、空気が抜けたことがもっとよくわかります。少しだけ膨らませて、瓶の中に入れます。
 同じように空気を抜くと、どれだけ変化していくでしょうか?

風船後

 空気が抜けきった状態です。このあと、ゴム板を外すと、あっという間に元の状態に戻ります。また、ゴム板を外す瞬間には、空気が一斉に入るため、ピュッと音もします。それが売りとなっているおもちゃもありますね。

新風船

 変化のもっとわかりやすいものです。はじめは、上の写真と同じくらいの大きさでしたが、瓶いっぱいに膨らんでいるのがわかります。

変化がよくわかったね!
入れるものを変えてみても面白いね!
試してみてね!

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