• 中学2年生
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中部地方

中部地方は、日本アルプスを境に、東海・中央高地・北陸に分けられます。この区分に沿って、気候をはじめ、産業など異なる点があります。正確に把握していくことが必要です。

地理では写真やイラストを覚えることともに、その特徴を説明できるようにしておきましょう。

北陸の気候と農業・産業

冬には雪が多い豪雪地帯として有名です。稲作では、雪が多いため冬は農業ができず、稲だけの単作をしています。魚沼産の「コシヒカリ」が有名です

中央高地の気候と農業・産業

山に囲まれた盆地が多く、雨が少ないのが特徴です。内陸部は、1年を通して降水量が少ないです。扇状地では「ぶどう、もも、りんご」などの栽培がさかんでした。また、第二次大戦までは、絹(きぬ)の需要が高く、蚕(かいこ)を育てる養蚕業がさかんだっため、桑畑が多かったです。高原では高原野菜として「レタス・白菜」などの生産が、さかん

東海の気候と農業・産業

温暖で、雪は少ない気候です。産業では、自動車産業などの「機械工業」がさかんです。農業では、愛知県では温暖な気候を利用し、菊やメロンなどを温室やビニールハウスで栽培する「施設園芸農業」がさかんです。静岡県では漁業もさかんで、焼津港は遠洋漁業の基地として有名です。

中京工業地帯

中京工業地帯では、愛知県の豊田市を中心に、「自動車産業」がさかんです。大手の自動車会社のトヨタ自動車の工場があり、関連工場や部品工場も多いのが特徴です。自動車工業は、2016年現在の日本の製造業の輸出製品のなかでは売り上げが多く、自動車は日本の製造業の主力な輸出品です。豊田市のような、大企業の影響を強く受けている町を企業城下町と言います。なお、三重県の沿岸部では、「石油化学コンビナート」もあります。愛知県の瀬戸市や岐阜県の多治見市で陶磁器の生産が有名であり、現在では「セラミック製品」の工場なども多いことが特徴です。

東海工業地域

静岡県の浜松市を中心に、「オートバイや自動車」の生産がさかんです。大手の自動車メーカーの本田技研工業の発祥の地でもあります。高度成長期のころに、当時新興企業だったホンダ自動車が、オートバイ開発に力を入れたことが発端でした。「ピアノなど楽器」の生産もさかんで、楽器メーカーで有名なヤマハの拠点でもあります。中央高地の工業では、空気が比較的きれいなこともあり、「IC(集積回路)などの電子部品や、プリンターなどの電子機器」の工場が多いのが特徴です。また、「時計やカメラなどの精密機械」の工場も数多くあります。

北陸工業地域

黒部川のダムの「水力発電」による電力を利用した「アルミ工業」がさかんです。北陸の沿岸部である福井の若狭湾や新潟などに、「原子力発電所」が多くあります。

輪中

岐阜県を流れる木曽川・長良川・揖斐川の下流の流域には、濃尾平野があります。 この三つの川の下流の流域は、堤防で囲まれている土地が多く、その土地を「輪中」といいます。輪中の中の土地の高さは川の水面と同じくらいか、水面よりも低いことが多いです。そのため、水が引きやすいことから、水田が多くあります。擦電が水浸しにならないよう水田を高くしています。

次の問いに答えなさい。

飛騨、木曽、赤石の3つの山脈を合わせて何というか

日本アルプス

中部地方を3つの地域に分けると、日本海側、内陸、太平洋側のそれぞれを何というか。

日本海側:北陸 内陸:中央高地 太平洋側:東海

中部地方の3つの地方のうち、冬に雪が多いのはどこか

北陸

中部地方の3つの地方のうち、冬に乾燥した晴天が続くのはどこか

東海

中部地方の3つの地方のうち、夏に涼しく避暑地としての別荘地が多いのはどこか

中央高地

静岡県の工業地域名を答えなさい

東海工業地域

北陸地方で1980年代後半に、日本海を囲む各地域が発展する具体策のことを何というか

環日本海経済圏

関東地方

17世紀に江戸幕府が開かれ、今の東京のあたりの開発が本格的になりました。明治時代以降は東京が日本の首都となったため、東京に国会議事堂や最高裁判所などの多くの官庁が置かれることとなりました。各国の大使館も日本銀行も東京にあります。

地理では写真やイラストを覚えることともに、その特徴を説明できるようにしておきましょう。

地形と気候

関東の土は、火山灰が積もって出来た「関東ローム」からなります。台地と、利根川など川や谷の周囲にできた低地とからなる地形となっていて、関東平野が広がっています。気候は温暖で、関東の大部分が太平洋側の気候であり、梅雨の時期には雨が多く降ります。冬には乾燥しています。ただし、関東北部の山間部などは気候が異なり、群馬県では、冬に北西の山間部から吹き降ろす冷たい風である「からっ風」が有名です。

京浜工業地帯・京葉工業地域

明治時代には、東京と神奈川を中心とする京浜工業地帯として発達しました。沿岸部の埋め立て地には、「重化学工業」の大工場が多いのが特徴です。第二次世界大戦後、東京湾沿岸の過密化に伴い、千葉の沿岸部の埋め立て地などに重化学工業の大工場ができ始め、「京葉工業地域」が発達していきました。

農業

農業では、野菜の「近郊農業」がさかんです。東京などの大消費地に近いため、輸送費が安く、短時間で届けられるメリットがあります。そのため、野菜や乳製品など、新鮮さが重視されて、関東でも生産しやすい農産物が、関東の農業では生産されています。

人口過密の問題

東京の人口集中の解決に向け、1970年代には東京から科学系の研究所のいくつかを筑波に移転させ「筑波研究学園都市」がつくられた。また、近年の埼玉県に、東京から行政機関の一部を移した「さいたま新都心」がつくられた。人口増加は東京だけでなく、周辺の神奈川・千葉・埼玉も同様で、東京・神奈川・千葉・埼玉を東京大都市圏という。高度成長時代、東京の地価の高騰を受け、人口が周辺の千葉や埼玉などに流出するという、いわゆるドーナツ化現象が関東では起きていた。

次の問いに答えなさい。

関東平野の台地は、何が堆積した赤土か

火山灰

関東地方には東京23区の他に、いくつの政令指定都市があるか

5つ さいたま市・千葉市・横浜市・川崎市・相模原市

東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県では、第三次産業(サービス業)の割合はどれだけか

約7割(約70%)

東京に集中する都市機能を分散させるため、神奈川県、 千葉県、埼玉県のそれぞれに建設した都市名を答えなさい

神奈川県:横浜みなとみらい21 千葉県:幕張新都心 埼玉県:さいたま新都心

東北地方

一般に、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の6県を指します。県庁所在地と県名が一致しない県があるので、正しく覚えましょう。

気候

奥羽山脈を境に、季節風のため、日本海側と太平洋側とで気候が異なります。日本海側は、冬には雪が多く、夏はフェーン現象のため暑くなります。太平洋側では、夏に「やませ」という季節風の影響が強く、気温があまり上がらず湿った気候となり、米の生育に影響する冷害が起こることもあります。冬では雪の量は日本海側と比べ少ないのが特徴です

農業

日本海側・太平洋側の両側とも米作りがさかんです。冬は積雪のため、米は単作をとります。銘柄米も種類が多く、秋田県の「あきたこまち」、山形県の「はえぬき」、宮城県や岩手県の「ひとめぼれ」が有名です。これらから、「日本の穀倉地帯」と呼ばれています。盆地などでは、果樹として山形県の「さくらんぼ」や「ぶどう」、福島県の「もも」などを栽培することも多く、冷涼な気候を活かし、青森では「りんご」を津軽平野を中心に栽培しています。

伝統工芸

岩手県盛岡市などの南部鉄器、福島県の会津市や喜多方市の会津塗り、宮城県こけし、秋田県大館市の曲げわっぱなどが有名です。昔は、冬の間に農作業ができなかったので、家内工業として伝統工業が発達してきました

工業

高度経済成長期ごろから、東北自動車道に沿って工場が進出し、IC(集積回路)や、電子機械、精密機械などの工場が増加し、その一帯を「シリコンロード」と呼びます。土地の価格が安さ、空気や水がきれいさから、これらの工業がさかんになったといわれています

東北三大祭り

東北三大祭りに、青森の「ねぶた祭り」、秋田の「竿燈まつり」、宮城県仙台市の「七夕」があります。他にも、山形県の「花笠」や、秋田県の「なまはげ」を加えて四大祭りや五大祭りともいいます

次の問いに答えなさい。

世界自然遺産に登録された白神山地は、何県と何県にまたがっているか

秋田県・青森県

東北地方日本海側は、冬に季節風と何海流の影響を受けて大雪が降るか

対馬海流

全国の米生産量の4分の1以上を生産する東北地方は、日本の何と呼ばれているか

穀倉地帯

津軽塗、会津塗、天童将棋駒などが国から何という指定をされているか

伝統的工芸品

北海道地方

気候や農業の大きな特徴に加え、明治時代における「アイヌ民族」などの先住民族が元来使用していた自然の破壊などから民族問題を抱えていました。重要な事項がたくさんあるので、整理しておさえていきましょう。

気候

北海道は、北に位置するため梅雨がなく、亜寒帯(冷帯)です。冬の時期が長く、11月ごろから雪が降り始めます。家の窓を二重窓にして寒さを防いだり、道路凍結を電熱線や温熱パイプでふせぐ「ロードヒーティング」も発達しています。オホーツク海では冬に流氷が見られます。オホーツク海の海岸でも1月~3月ごろまで、流氷が見られます。

農業・産業

北海道の農業では、農地が大規模な農家が多いことが特徴です。そのため専業農家も多く、農業にコンバインなどの大型の機械を用いています。石狩平野などでは、気温が比較的に夏は高く、稲作がさかんです。日高山脈を境に、東西で気候が分かれています。現在生産されている北海道の米は、寒い気候でも育つよう品種改良された米です。十勝平野では、大規模な農園が広がっています。夏には霧が多く、冬は雪が少ない気候です。稲作や畑作などに適さない場所では、畜産や酪農などが行われています。気候がやや冷たいことに加え、火山灰地が広がることから、畑作や酪農がさかんに行われ、「じゃがいも、てんさい、たまねぎ、かぼちゃ、にんじん、だいず、あずき」などが有名です。北海道が日本1位の生産量である農産物が多いことも特徴です。このほか、夕張では「メロン栽培」が、富良野では「ラベンダー栽培」が有名です。根釧台地は冷たい気候で、土が火山灰であるため、農産物の栽培には不向きなため、かわりに酪農や畜産が行われています。根釧台地の酪農では、「バターやチーズ、牛乳など」を生産しています。 第二次世界大戦後になって開発が行われ、1950年代から「パイロットファーム」事業や1970年代の新酪農村などで根釧台地での酪農の開発がさかんになり、大きな酪農地帯に発展しましたが、その後の貿易の自由化の影響から利益が上がりづらくなりました。

自然

世界自然遺産が多いことで有名です。釧路湿原などの湿地も多く、タンチョウヅルなどの水鳥などの飛来する場所にもなっており、ラムサール条約の区域内となっています。釧路湿原は国立公園になるなど、他にもラムサール条約に指定された湿地が北海道には多くあります。

ラムサール条約

火山

火山が多く、有珠山や周辺の山々は現在も時々噴火します。洞爺湖は、有珠山の活動によって出来たカルデラに水がたまった場所です。北海道には、他にもカルデラ湖がいくつかあり、阿寒湖や摩周湖や屈斜路湖が有名です。火山としては、有珠山のそばにできた新たな昭和新山ができました。

人口

札幌市の人口は190万人ほどで、北海道の人口の約3分の1にあたり、「政令指定都市」になっています。札幌市の町並みは、明治政府の都市計画により、道が京都市のように碁盤の目状になっているのが特徴です。明治時代には、「開拓使」という役所も置かれました。

 開拓使

水産業

漁獲量が全国1位な海産物として「さけ、ます、かに、ほたて」があります。1970年代は、ロシアやアラスカ沿岸で漁をする北洋漁業で、「すけとうだら」などを取るのが盛んでした。このころからの排他的経済水域の設定で、北洋漁業がおとろえ、漁獲量が大きく減少しました。近年では、養殖による「ほたてやこんぶなどの栽培漁業」に力を入れています。水産加工業もさかんでかまぼこや缶詰食品などが生産されています。

工業

室蘭市では「製鉄業」、苫小牧市で「製紙工業」がさかんです。かつて、石狩炭田などの炭田があり町が栄えていましたが、第二次世界大戦後に衰退しました。夕張などは、かつて炭鉱都市として有名でした。第二次大戦後からの需要の変化から、観光を振興したり、「夕張メロン」などの特産品を作ったりして町おこしをしたが、現在も夕張市の財政は苦しい状況が続いています。

次の問いに答えなさい。

明治時代に北海道の開拓のために置かれた役所は何か

北海道開拓使

雪が多く降る地域で道路の中に電熱線や温水パイプを入れ、その熱で雪を溶かす装置は何か

ロードヒーティング

ほっけ・ほたてがい・すけとうだら・さけの中で、釧路港で最も水あげ量の多いものは何か

すけとうだら

畑作地域の一部で行われている酪農と畑作をあわせた農業は何か

混合農業

乳牛などを飼育し生乳やバター、チーズなどを生産する農業は何か

酪農

北海道で世界自然遺産に登録されている場所はどこか

知床